夏の夕方など、横からの強い太陽光で腕や顔が照らされるジリジリ感……。これを軽減すべく、ソリオ(MA26S)のフロントドアガラスおよびフロントクォーターガラスに高機能IR(赤外線)カットフィルムをDIY施工しました!
- 後付けIRカット: 純正ドアガラスに赤外線カット機能を付与し、走行中のジリジリ感を緩和。
- 車種専用カット済み製品: 自分でカットする手間が省け、施工難易度が大幅低下。
- 車検リスク: 可視光透過率70%以上の法規制をクリアするため、事前の透過率試算が必須。
- 体感効果: 「劇的」とまではいかないものの「多少マシになった」レベル。ガラス自体の元々の遮熱性能にも左右されます。
フロントドアガラスフィルム導入のメリット
1. IR(赤外線)カットを後付け
赤外線カット機能がない標準ガラスでも、フィルムを貼るだけで熱線の透過を大幅に防げます。
2. 走行中の腕・顔のジリジリ感緩和
夏場の横からの太陽光による皮膚の熱さや不快感が和らぎ、エアコンの効きもサポートします。
3. DIY施工しやすいカット済みフィルム
型取り不要のカット済みフィルムを選ぶことで、DIYでの難易度をグッと下げられます。
4. 駐車中の車内温度上昇の抑制
サンシェードを設置し忘れた場合でも、全方位からの赤外線を和らげて車内温度の上昇を緩和します。
選定フィルムと「可視光透過率70%」の壁(車検計算)
フロントガラスやフロントドアガラスにフィルムを貼る場合、道路運送車両の保安基準により「可視光透過率が70%以上」保持されている必要があります。
今回選んだフィルムは、高透明かつ優れた遮熱性を誇る IKCS FGR-500 です(可視光透過率:89% / 赤外線カット率:88%)。
重要:透過率計算は「乗算(掛け算)」
「ガラスの可視光透過率は100%ではない」という点に最大の注意が必要です。近年の自動車用ガラスは素の状態で可視光透過率が73%〜78%程度の場合があります。
仮に純正ガラスが78%の場合、そこに89%のフィルムを貼ると計算式は以下のようになります。
0.78 × 0.89 = 0.6942(69.4%) ➔ 70%未満となり車検非対応!
私のソリオは中古車ということもあり、純正フロントドアガラス単体の可視光透過率は不明でした。しかし「80%程度はあるだろう」という前提で試算を行いました。
ソリオでの試算: 0.80 × 0.89 = 0.712(71.2%) ➔ 車検合格ライン(70%)をクリアする見込み!
※万が一、実際の車検現場で計測器に通らず不可となった場合は潔く剥がす前提で施工します。
DIY施工で使用した6つの必須道具
1. ダイソー スプレー容器(500ml)200円
【最重要道具】逆さまでも噴霧できる優れもの。フィルム施工失敗の最大の原因は「強力な接着剤が直ぐにガラスへ固着し、位置調整やシワ伸ばしができなくなること」と「ゴミの巻き込み」です。
水500mlに食器用中性洗剤を数滴混ぜて多量にスプレーすることで、接着力を一時的に弱めて位置微調整や洗いが可能になります。狭い車内で無理な姿勢から吹くため、逆さ噴霧対応&500mlの大容量が必須です。
2. 水止め用のタオル(数枚)
車内で多量の洗剤水をスプレーするため、ダッシュボードやドア内張り、電装品周りを覆って防水します。数滴の垂れは問題ありませんが、隙間から内部へ水が侵入し、配線や電子部品をショートさせて最悪発火するリスクを防ぐ必須の防御策です。
3. 窓拭き用マイクロファイバータオル
ガラスに埃やゴミが残っているとフィルム施工時に巻き込んで仕上がりが全滅します。徹底的な下地洗浄用として用意します。汚れたらすぐ交換できるよう、枚数に余裕を持つのがコツです。
4. スキージ等の7点セット
フィルムとガラスの間の空気や水を追い出すヘラ。主に表面にフェルトが付いた傷つき防止タイプの3サイズのスキージを使用しました。力を入れすぎるとフィルムに傷が入るので注意。
※セット付属のカッターは切れ味が悪く失敗の原因になるため、オルファの超極薄刃カッターを別途用意。SK11の替え刃スクレーパーはリアガラスのJAAAステッカー剥がし用として用意しました。
5. 養生テープ
ドアスイッチや電装部を覆ったタオルが作業中にズレ落ちないようしっかり固定するために使用します。
DIY施工手順【準備 & フロントクォーターガラス編】
シート1枚にクォーターガラス用とドアガラス用のフィルムがセットで印刷・カットされているため、まずはハサミで大まかに切り分けます。
車内に入り、施工開始です。まずは面積が小さく失敗リスクの低い「フロントクォーターガラス」から着手するのが鉄則です。
- 養生と清掃: 水が垂れるとマズい場所にタオルを敷き詰め、ガラスに洗剤スプレーを多量に噴霧。マイクロファイバータオルで汚れを完全に除去します(この段階では濡れたままでOK)。
- 表裏確認とフィルム準備: 表裏を確認後、一度車外へ。フィルムの裏紙をゆっくり剥がしながら、裏紙とフィルムの接着面にスプレーを噴霧して一度戻します。これで車内で裏紙が瞬時に剥がせる状態を作ります。
- 貼り付けと位置調整: 車内に戻り、ガラス全体に再度スプレーをビショビショになるまで噴霧。濡れているうちにフィルムをセットします。たっぷり濡れていれば位置調整やシワ伸ばしが容易です。
- 空気抜きの徹底: 水と空気が混在していますが、最優先で抜くべきは「空気」です。水は1〜2週間で自然蒸発して抜けますが、空気は勝手に抜けません。空気が残る場合は一度部分的に剥がしてスプレーし直します。
- スキージング: フェルト付きスキージで優しく中央から外側へ水と空気を押し出します。強すぎるとフィルムが破れるので注意(私は力みすぎて一部破いてしまいました)。
※完成後。高透明フィルム(FGR-500)のため、貼る前と見た目の透明感・視認性はほとんど変わりません。
仕上がりがイマイチだからと端から勢いよく剥がそうとすると、高確率で折れ癖や剥がし跡がつきます。また、全体を一気に剥がすとフィルムが車内の別の場所(服やシート)に接触してゴミを巻き込み全滅します。修正する際は半分ずつ剥がしてスプレーを吹く手順を徹底してください。
DIY施工手順【フロントドアガラス編】
続いて本丸の「フロントドアガラス」です。作業はドアを全開にした状態で行います。
施工前の後悔ポイント(反省点)
私は今回、窓ガラスを一旦少し下げて「ガラス上端のフチ」ピッタリに合わせて施工を開始しました。しかし、窓枠(モール)に常に差し込まれるガラス上端部分は擦れやすいため耐久性が落ちます。ドアバイザーが装着されている車両であれば、上端に数ミリの隙間が空いていても上からの日差しはバイザーが遮ってくれます。上端まで攻めずにガラスを全閉にした状態で施工した方が剥がれ耐久性の観点で賢明だったと後悔しています。
- 電装部の完全防水: ドアのウインドウスイッチ類にタオルを被せ、養生テープでガチガチに固定します。ガラスを掃除し、準備を整えます。
- 大判フィルムの裏紙剥がし: ドアフィルムは大きいため風に煽られて折れ目がつきやすいです。この工程だけは2名体制で行うのが絶対おすすめです。一人が裏紙を固定し、もう一人がフィルムを剥がしながら接着面にスプレーを吹き付け、再度裏紙を戻して保護します。
- 貼り付けと追加スプレー: ガラス全体をスプレーで濡らし、上から徐々にフィルムを貼っていきます。途中でフィルムを持ち上げ、下側からフィルムとガラスの間に追いスプレーをして潤滑を保ちます。
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ガラスの昇降とスイッチ注意: ガラスを少し下げた状態で上半分を貼った場合、半分を過ぎた段階でガラスを全高まで上げます。必ず上げる前に、窓枠に入るガラス最上部のフィルムをスキージで強く水抜き密着させてください。
※ここで操作を誤ってガラスを「下げる」と、下側の窓枠にフィルムが巻き込まれてゴミや埃を大量に巻き込み、一発でアウトになります! - 下端の余剰カット: ガラス下部まで貼り終えるとフィルムが余ります。最も長いスキージの「フェルトがついていない側」をガラス最下部に強く当てて定規代わりにし、オルファの超極薄刃カッターで一気に一直線に切断します。切れ味が悪いとフィルムが破れるので刃は新品に交換しておきましょう。繋がっている箇所がないか慎重に確認しながら余剰フィルムを取り除きます。
- 最終水抜き・空気抜き: フィルム上端が窓枠に入っている場合、空気と水を逃がす方向は「横」か「下」のみです。空気を最優先で逃がし、フェルトスキージで絶妙な力加減(傷がつかない限界)で水を抜ききります。
施工後の体感効果と正直なレビュー
結論:「多少マシになったかな?」というレベル
施工後、実際に直射日光下で走行してみた体感としては「激変!」というよりは「多少マシになった」程度でした。
今回使用したフィルム(FGR-500)単体の赤外線カット率は88%です。もし純正ガラスの赤外線カット率が0%だったならば、0%➔88%となるため劇的な変化を感じるはずです。
しかし、ソリオの純正ガラスに元々ある程度の遮熱性(仮に80%カットと仮定)が備わっていた場合、カットしきれなかった「残り20%の赤外線」のうちの88%(=全体の17.6%分)を新しくカットすることになるため、全体の遮熱率は 80% ➔ 97.6% という変化にとどまります。これが「多少マシになった」と感じる理屈だと分析しています。
正直な感想としては、車検時の可視光透過率クリアというリスクを冒してまで施工する必要があったかと言われると微妙なラインです。とはいえ、ジリジリ感が確実に軽減されているのは事実ですので、車検に通る限りはこのまま使用し、もし車検で引っかかった場合は剥がすスタイルで運用していきます!