遮熱に加えて輻射熱も防ぐ!ダッシュボードマット
走行中の夏の暑さ対策・燃費改善に。ただのドレスアップパーツと侮るなかれ、ダッシュボードマットの驚きの物理メカニズムを解説します。
ダッシュボードマット導入の絶大なメリット
- 走行中にダッシュボードが直射日光で直接熱せられない
- ダッシュボード樹脂より蓄熱・輻射熱(放射熱)が大幅に小さく、乗車時の体感温度が下がる
- 黒系繊維により、日中の眩しい照り返しやフロントガラスへの内装映り込みが減り、視界が劇的に良くなる
- 内部のエアコンダクトが熱せられにくいため、吹き出し口からの冷気の立ち上がりが早くなる
- 紫外線による樹脂パーツの劣化・割れ・ベタつきを予防できる
- (副次効果)ダッシュボード付近の振動音(ビビリ音)が軽減される
なぜ導入したのか? 夏の日の大渋滞での過酷な体験
そのような数多くの利点のあるダッシュボードマットですが、私はドレスアップ目的の商品だと勘違いしていたのですぐには導入しませんでした。
以下は、私がダッシュボードマットの導入に至るまでのエピソードです。
とある夏の日。とても天気が良くお出かけ日和。
今日はちょっと遠出をしようと幹線道路を走行していましたが、同じことを考える人は多かったようであいにくの大渋滞にハマってしまいました。
フロントガラスからの日光は容赦なくダッシュボードの黒い樹脂を熱し続け、次第に全開のエアコンでも相殺しきれず、車内は薄っすら暑いという微妙な状態になりました。サンシェードで駐車中の日射は防げても、走行中はそうはいきません。
前席でもこの状態なのですから、エアコンの風が直接届かない後席はもっと過酷です。なんだかエアコンの風も温くなってきたような気もし始めました。
渋滞を抜けるのはまだまだ先のようで、この不快な状態がいつ終わるのかわからない状態でした。
車内温度上昇の「犯人」を推理する
私はこの経験をきっかけに、走行中も夏の日射や熱対策をしなければならないと強く感じました。そして、どういうメカニズムでこの不快な状態になるのかを考えました。
時刻は正午付近なので太陽の位置はほぼ真上です。サイドやリアのガラスはほぼ角度がついていないので、太陽光からの熱はおそらくフロントガラスからの侵入が大きそうです。ほぼ真上からなので太陽光は直接私の体に当たっている訳ではありません。もちろんハンドルに伸ばしている腕は照らされているので暑いですが、それだけが原因とは思えません。明らかに車内気温が上昇していますし、エアコンからの冷風も少し温くなっています。
ダッシュボードを触ってみるとかなり熱く感じました。長く触っていると火傷する温度です。というか触っていなくても近づくだけで熱を感じるので、これはダッシュボード自体が輻射熱を発している状態だと考えました。また、ダッシュボードの熱は表面だけでなく内部にも到達し、エアコンダクトも温めていると考えればエアコンの冷風が温くなることも納得がいきます。
フロントガラスフィルムと遮熱塗料の限界
さて、太陽光を遮ってダッシュボードが熱せられるのを防ぎたいですが、どのような方法が考えられるでしょうか?
根本から断つのであればフロントガラスを通過させない方法が1番効率がいいですが、残念ながらフロントガラスは可視光透過率70%以上でならなければならないという法律があります。例外としてバックミラーよりも上部であればある程度の遮光性のあるフィルム等を貼っても良いそうです。昔は通称「ハチマキ」と呼ばれるフロントガラス上部がサングラス状にグラデーションがかかった色ガラスになっている装備も多かったですが、残念ながらうちのソリオにそのような装備はありません。また、ドラレコやETCアンテナなどの機器が増えた現代において定期的に交換が必要になるフィルムを後から施工するのはコストパフォーマンスが良くありません。なぜならば、特定の角度から入ってきた日射だけしか防げないからです。
次に考えた方法が遮熱塗料です。ダッシュボードに遮熱塗料を塗布すれば、赤外線を反射してダッシュボードへの熱流入を減らせるうえ、反射した赤外線がフロントガラスから外へ出てってくれると考えたからです。
AIの冷静なアドバイス
ところがAIに聞いてみると、「遮熱塗料は白やシルバーなど光沢のある塗料が赤外線反射効率が高いが、可視光も反射するのでフロントガラスへの写り込みが多く、安全に運転できなくなる可能性が高くなります。また、艶消しの黒い遮熱塗料を選んだ場合、赤外線反射効率は大幅に落ちるので望んだ結果にはならないと予想されます。」とのことでした。
そして、「そのような効果を望むのであればダッシュボードマットがおすすめです。」と勧めてきたのです。
私はそれまでダッシュボードマットというものはドレスアップ目的で使用する白系のファーのマットだと思い込んでいました。ダッシュボードと同じ黒のマットがあるのも知らなかったうえ、黒でも効果的にダッシュボード周りの熱問題を解決してくれるというのです。
ダッシュボードマットが熱を遮る「3つの物理メカニズム」
「布を一枚敷くだけで本当に変わるの?」と思われがちですが、ダッシュボードマットは「熱伝導・蓄熱・放射(輻射熱)」という熱の移動プロセスを物理的に抑え込む、非常に理にかなったアイテムです。
体感温度を下げる主なメカニズムは以下の3つです。
「空気の層」が断熱材になる(熱伝導の遮断)
純正のダッシュボード(樹脂パーツ)は熱を伝えやすく、直射日光を受けると短時間で表面温度が跳ね上がります。
一方、ポリエステルやフェルトなどの繊維でできたマット内部には、ミクロ単位の「動かない空気の層」が大量に含まれています。空気は物質の中でもトップクラスに熱を伝えにくい(断熱性が高い)性質を持っているため、日光の熱がダッシュボード本体へ伝わるのを途中で強力にブロックします。
熱をため込まない(蓄熱の抑制)
厚くて重い樹脂製のダッシュボードは熱容量が大きく、一度温まると車内で「巨大な湯たんぽ」と化し、大量の熱を蓄えてしまいます。
対して、軽量な繊維でできたマットは熱容量が非常に小さいため、日光を受けても熱をため込むことができません。日陰に入ったりエアコンの風が当たったりすれば、すぐに冷めてくれるのが大きな特徴です。
体を直撃する「輻射熱(赤外線)」をカットする
炎天下で80℃近くまで熱せられた樹脂ダッシュボードからは、目に見えない強烈な「赤外線(輻射熱)」が車内全体へ放出され続けます。これが乗員の顔や胸元に直撃することで、エアコンの風が冷たくても「なんか顔のあたりが熱い…」という不快感の原因になります。
マットを敷くことでダッシュボード本体の温度上昇を抑え、さらに繊維が赤外線の放射を和らげるため、体に届く熱線が激減して体感温度がぐっと下がります。
(補足)エアコン効率と燃費への影響について
ダッシュボードのすぐ裏側には、カーエアコンの冷気が通るダクト(配管)が走っています。ダッシュボードが熱湯のような状態だと、作られた冷気が吹き出し口に届く前に配管ごと温められてしまいます。
マットでダッシュボードの温度を抑えることで「冷気の立ち上がり」が早くなり、エアコンのフル稼働時間を短縮できるため、結果的にガソリン消費を抑える(燃費改善)ことにつながります。
結論:コスパ最強の快適アイテム
この説明をみて凄く魅力的な効果だと感じ、その日のうちにAmazonでソリオに合う専用品を3560円で購入しました。Amazonなどで車の形式番号とともに「ダッシュボードマット」と検索すれば専用品が見つかると思います。
導入してすぐに、ダッシュボード剥き出しの状態よりフロントガラスへの写り込みが減ったこと、前方から感じる輻射熱が減ったこと、エアコンの冷風が温くならなくなったことを体感しました。
5000円以下で買えて車内が快適になり何シーズンも使えて、導入後は基本的に置きっ放しでいいという簡単さも魅力的な非常におすすめできるアイテムです。